危険な瞳に恋してる
「やい、俺の弟分が、あんなに痛がっているぞ?
 けがぁしちまったじゃねぇか!
 俺たちがはみ出しモノだからって、わざとやったのかぁ?
 どう、オトシマエをつけてくれるんだょぅ?」

 ……やくざ……だ。

 とても。

 とても、運の悪い事にあきらクンは、やくざに絡まれ……ちゃったんだ。

 しかも、男の連れは、一人だけじゃなかった。

 更に、二、三人。

 怪しい男の人たちが、道をこっちに向かって歩いてくる。

 その様子に。

 さすがのあきらクンも青ざめた。

「すみませんっ!
 僕は、決してそんなつもりでは……!」

「るせぇな!
 俺は、大ケガにどう、保障してくれんのかって聞いてんだよ!」

 男は、あきらクンの傘を取り上げると、真っ二つに折った。

「金が払えねぇなら、お前の連れてるその、女でもいいぜ?」

 ケガをした、と騒いでた男のヒトは。

 なんでもないように起き上がると、柴田に向かっていやらしく笑った。

「可愛いお嬢さんは、金よりも好きだ」

「触るな! その子はダメだ!」

 柴田をぐい、と掴んだ男を、あきらクンが振り払った時。

 派手な服を着た男が、あきらクンを殴った。
 
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