危険な瞳に恋してる
「まあ、薫!
 アナタは、このコの味方をするつもり……!?
 もしかしたら、このコの為に。
 ダーク・クラウンだって、無くなってしまうかもしれないのよ!
 そうしたら、アナタは、どこで働くの?
 前科持ちのアナタを雇ってくれるところなんて、他に無いのに……!」

 アヤネさんの言葉に、薫ちゃんは、無表情で振り返った。

「確かに、きっかけは、春陽かも知れません。
 ですが……なぜ、こんなに騒ぎが大きくなったんですか?
 なぜ、紫音の秘密の全てが、こんなに早くマスコミに漏れて、しまったんですか?」

「そ、それ……は…」

 薫ちゃんに言われてアヤネさんは、口ごもった。

「紫音は、春陽を選びました。
 ここで、春陽に嫌がらせをするおつもりなら、俺が許しませんよ?
 例え、アヤネさまと言えども……
 いえ。
 嫉妬に狂って紫音の情報を不用意に流したあなたは。
 どちらかといえば、俺の敵です」

 薫ちゃんの迫力に、アヤネさんは、小さく息を呑んだ。

「わ、わかったわよっ!
 薫が言うなら、諦めるわよっ!
 でも!
 薫は悔しくないの!?
 紫音が、由香里を忘れてこんな、小娘に、ココロを奪われるなんて……!」
 
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