危険な瞳に恋してる
Ⅶ章
それぞれの想い
久しぶりの、いい天気なのに。
ココロは、全く晴れなかった。
退院して、はじめての授業は、あきらクンの地理で。
あきらクンは授業をしながら、気遣わしげに、わたしのコトを見ていたけど。
わたしは、ちっとも、そっちの方を見る気がなかった。
アレックスを飲んで、倒れたとき。
病室で、父さんと一緒に、紫音を責めていたのが、どうしても、引っかかってしまったのだ。
あきらクンが悪いわけじゃなかった。
だけど、半分八つ当たりめいた抗議で。
どうしても、あきらクンの顔が見られなかった。
マスコミの報道でなく。
ダブル・デートで見たままの紫音を……信じて欲しかった。
……この高校にはもう。
村崎先生は、いない。
派手な、テレビ報道にしては、案外ひっそりと。
村崎先生は、学校を辞めて行った。
誰にも止められるコトなく。
……誰からも庇われる事もなく………