危険な瞳に恋してる
 



 だっ、だだだだっ!



 激しく、廊下を駆ける音がした。

 その音が、ウチの教室の前まで来た、と思った瞬間。



 どばんっ!!!!



 と、何かが壊れるような音がして、扉が開かれ、そのヒトは、叫んだ。




「守屋は、来ているか!!!?」




「加藤!?」

「加藤先輩!?」

 わたしとあきらクンの声がハモる。

 加藤先輩は。

 わたしが、居ることを確認すると。

 授業を無視して、教室にずかずか入って来た。

「紫音さんの様子が、変だ。
 すぐ来てくれ……!」

 加藤先輩の真剣な顔に。

 紫音の身に何かとんでもないことが、起きたらしいのが判る。




 でも……



「わたし、紫音と別れちゃったし!
 紫音のカラダの方でなにかあったら、薫ちゃんの方が………!」

 もう。

 ダーク・クラウンにも、行かないことにしたんだ。

 何があったのか知らないけれど。

 役に立たないわたしが出て行っても、ただ迷惑なだけだ、と思う。
 
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