危険な瞳に恋してる
「暗いんじゃなくて『静か』なだけよ。
 それに、冴えないのも実は、演出で。
本当は、めちゃくちゃ怖くて、キレイで……」

「はあ!?
 それってアノ村崎のコトだよね?」

 柴田に、リアルに驚かれ。

 しかも。

 もしかして、振られたからって、ヤケになっちゃった?

 と、ドン引かれ……

 そうなんだ。

 柴田がヒドいので、思わず言ってしまったけど。

 コレが村崎先生の昼間の顔の評価だ。

 昨日までの、わたしを含めた。

 ……村崎先生がホストだなんて……実際に見たハズの自分だって、信じられない。

 しかも。

 ……あんなに強く……獣のように……輝く瞳なんて。

 ありえないほどキレイな。

 紫色の。




「……ちょっと、春陽。
 アンタ大丈夫?」

 柴田に言われて、わたしは、ハッと我に返った。

 ……いけない。

 村崎先生……いや、紫音のコト。

 ……好きになっちゃったら、ダメだ。

 そもそも、わたし加藤先輩が好きだし。

 好みじゃない村崎先生なんか、わたしと関係な………

 ………ありました。

 ……百万円。

 
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