危険な瞳に恋してる

　



　……はあああああ

　げほげほっ！



　思わずついた長いため息に、柴田がわたしの顔を覗き込む。

「本当に、大丈夫？」

「……ダメかもしんない」

　村崎先生は、なんで、こんな風に二つの顔を持っているんだろう？

　知りたい、と思ったら、止まらなくなってしまった。

　……コレは『好き』じやなくても、誰だって知りたい……よね？

　……たぶん。

　村崎先生の両方の顔を見かけたら、誰だって。





　……ちょっと、調べてみようかな？





　心配する柴田に、大丈夫と手を振って、わたしは、密かに頷いた。






　わたし。

　先生のコトを、もっとよく知りたい。


　……そう、思ったんだ。