危険な瞳に恋してる
「守屋、いる?」

「は、はい!」

 午前中の授業が終わり。

 柴田とお弁当を食べようと、席を立った時だった。

 呼ばれてみれば……

 ……廊下に、加藤先輩が、いた。

「せせせ……先輩!」

 わたしが、すっかり驚いていると。

 先輩は、カッコいい顔をふ……と歪ませるように笑った。

「やあ。
 守屋。今日の昼は、俺と一緒に飯でも食わないか?」


 ……ええええっ!

 わたしだけじゃない。

 そのセリフを聞いた他の女子も一斉に叫んだ。

 うらやましそうに。



 か、加藤先輩と一緒にお弁当!?

 うそ。

 わたし、振られたのに!

 信じられない!!

「俺と飯は、嫌か?」

「ととと……とんでもない、です!」

 いつもご飯を食べている柴田の方をちらっと見れば。

 彼女は、笑って親指を立ててくれた。

 ……柴田も、ガンバレって言ってくれている!

「一緒に、食べたい、です!」

 わたしが、言うと。

 加藤先輩が、片方の唇を上げて笑った。

「……それじゃ、行こうか」
 
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