危険な瞳に恋してる
 


 ……!

 動けないわたしに、オジサンは馴れ馴れしく近づいた。

 そして、わたしの肩を抱く。



 あ……っ……!



 今まで……親にしか……触られた事のない身体が、思わずびくっと揺れた。

「……なんだ姉ちゃん。
 もしかして、ウリは、はじめてか?
 俺は、運がいい!
 大丈夫。
 オジサンは、優しくしてやるよ。
 姉ちゃんの初めての時の彼氏みたいに、さあ」

「………」

 思わず。

 更に固くなってしまったわたしに、オジサンは、怪訝な顔をした。

「……もしかして。
 これが、初めて、なんて言う事は……?」

 わたしが、ようやく頷くと、オジサンは、いやらしく笑った。

「なんて、こった!
 信じられない!
 本当に、俺にヴァージンを売ってくれるのか!?
 いいのか?
 いいんだな!?」

 字面では、わたしに質問しているだけだったけれど。

 オジサンは、わたしの手首を握って離さない。

 肩を抱く手に力がこもる。




 逃げられない!




 
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