危険な瞳に恋してる
授業
……とても。
とても、午後からの授業を受けている気分ではなかったし。
そんな場合でもなかった。
わたしが、早退しなかったのは。
ただ、サボる理由を考える気力もなかっただけで。
五時間目の授業は、心配そうな柴田に手を振ってぼ~~っとしているうちに、終わってしまった。
「春陽、聞いて!
私も今日の放課後、本命の先生に告るコトにしたんだ!
放課後あう約束を、お昼休みにできて……!」
五時間目が終わったとたん。
柴田が、走るようにして、やって来た。
「……良かった、じゃない」
柴田が、上手くいくのは心から祈っているけれど。
相づちに力が入らないことに柴田は、気がついたようだった。
「……って、どうしたの?
昼休み、どうだった?」
「……うん……。
それがね……」
わたしが、コトの顛末を話そうとしたとたん。
黒板に下げるタイプの大きな年表が、届けられたのに気がついた。
隣のクラスの、教材係が「置いてくね!」ってわたしに手を振る。
「……!
今日の六時間目って、日本史だった……!」