危険な瞳に恋してる
「英語や数学じゃあるまいし、信じられねー」

「何ガンバってるのよ村崎~~!」


 テスト、と聞いただけで、アレルギー反応を起こすのは、誰でも一緒だ。

 ヒトによっては入試とかに関係あるとはいえ、英語なんかに比べると、日本史なんて。

 劣る……とは言わないけれど。

 あまり重要でもない教科だ。

 しかも、前の時間に授業があった隣のクラスからは、テストの噂も出ていない。

 そんな文字どうり抜き打ちの。

 唐突なテスト、なんて信じられなかった。

 それでも。

 周りの騒ぎを無視して、村崎先生は、さっさとテストの答案を配る。





「うーん……」



 しかも。



 出された問題を見て、わたしは思わずうなってしまった。

「……コレ。
 ほとんど年号問題ばかり……じゃない!」


 ……わたしの苦手なテスト。


 もしかして、村崎先生の嫌がらせ、なんて事は………?

 思わず、先生の顔を見ると……

 村崎先生は。

 わたしと目を合わせて、薄く笑った。

 や、やっぱり!

 なんてヒト!

 仮にも『先生』っていう特権生かして、こんな嫌がらせをするなんて!
 
< 69 / 313 >

この作品をシェア

pagetop