危険な瞳に恋してる
 確かに。

 三回も助けてくれたのに。

 キスされそうになって……思い切り拒否っちゃったから。

 きっと、それで腹を立てているんだ。

 だからって、クラスの皆まで巻き込むなんて、最っっ低!

 わたしだって。

 わたしだって、ものすごく、怒ったもんねっ!

 わたしは、テストの回答欄に一つも答えなんか書かなかった。

 そのかわりに。

 紙一杯に、マジックペンで、一言だけ大書きしてやった。


 先生なんて!

 紫音なんて!!



『大嫌い!!!』




 ああ。

 ちょっとだけ、すっとした。

 
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