ファミリアストレンジャー
私は少し後悔した。




電車で初めて三上さんと言葉を交わしたときのことを思い出した。

三上さんが痴漢から私を救ってくれたときのことだ。


颯爽と立ち去る三上さんの背中を今でも鮮明に覚えてる。



それまでは朝の通勤電車でたまに見かけるただの会社員だったのに。




三上さんは、かっこいい大人だ。



私は、ただの子ども。




自分がひどく小さな人間に思えて、悲しくなって涙で視界が滲んだ。


ああ、泣いちゃだめなのに、私って本当に馬鹿。

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