ヒロシ君へのlove letter【短編】
その日の放課後、また彼女を見つけた。

ヒロシの下駄箱の前に立っている。

あの子の手には、また薄ピンク色の封筒。

はぁ…

あ、ため息をついた。

はぁ…

また、ため息をついた。

そして…あの子は帰ってしまった。

昨日と全く同じだな…。

ついふふっと笑ってしまう。

俺は、明日も全く同じであってほしい…そんな風に願っていた。

いつまでこの状況が続いてくれるのだろう?

俺のこの恋はいつ終わってしまうのだろう?

もう…終わりが近い気がした。

何となくだけど…胸の奥がザワザワとした。

どうせ叶わない恋なら、せめて彼女の頑張りを見届けたい。

だから、俺は彼女を見守ることにした。
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