ヒロシ君へのlove letter【短編】

運命の日ー萌子side

私は今、学校の下駄箱の前に立っています。

自分の下駄箱ではありません。

私の一つ先輩の…中学3年生の下駄箱です。

なぜここに立っているかと言うと…ヒロシくんの下駄箱にラブレターを入れるため。

今時ラブレター?なんて思うかもしれないけど…私はヒロシくんのメールアドレスも電話番号も知らない。

直接呼び出して告白する勇気なんか無い。

でも気持ちは伝えたい。

そしたらもう残された手段は一つ…

それが【ラブレター】だったのだ。


かれこれ30分はこうして下駄箱の前に立っている。

はぁ…

小さなため息をつく。

どうして私ってば、こんなに意気地無しなのっ?

ただ下駄箱の中に、ラブレターを入れれば良いだけなのにっ…。

こんなことも出来ないなんて…。

はぁ…

思わずまたため息をついた。
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