ヒロシ君へのlove letter【短編】
今日は誰も図書室に来ない。

いつも勉強をしているあの人も、いつもの席で本を読んでいるあの人も。

だから私とヒロシくんは二人きり。

今日はノートじゃなくて、普通にお話出来そうだ。

でも…気まずいなぁ。

返事…してくれないのかな。


私はラブレターに自分の名前を書かなかった。

ヒロシくんは私の字を知っているから。

きっと気付いてくれる…と信じていた。

でも未だに返事が来ないということは、ヒロシくんはもしかしたら…私からのラブレターってことに、気付いてないのかも…。

お互い無言のまま。
どれくらい時間が経ったのだろうか…。

チラッと腕時計を見ると、もう4時半。

ヒロシくんとの最後の図書当番は、あと30分で終わってしまう。

…もう、ダメなんだ。
私の恋は…きっと、終わっちゃったってこと。
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