ヒロシ君へのlove letter【短編】
「…違う!俺は…」

ヒロシくんは急に俯いてしまった。

「…嘘だよ。」

リュウヤさんのその言葉にヒロシくんは顔を上げた。

「…は?」

「俺は別にこの子を好きじゃない。お前の本音をこの子に聞かせてやろうと思っただけだ。」

ヒロシくんの本音…?

「…リュウヤ、ありがとな。俺、頑張るわ。」

ヒロシくんの言葉に、リュウヤさんは大きく頷いた。

「役目を果たしたし、俺帰るわ。」

リュウヤさんは、前に助けてもらった時みたいに…さっさと図書室を出ていってしまった。

また、沈黙が流れる図書室。

ヒロシくんは静かに座った。

「ごめんね。」

「…何が?」

「変なところ、見せちゃったから。」

「…少し驚いただけだよ。」
< 24 / 31 >

この作品をシェア

pagetop