アンサツシャ


「……!」



 携帯電話が耳元で鳴り、レインは目を覚ました。

 面倒くさそうに手を伸ばすが、手に取る前に電話は切れてしまう。



レイン「……何だ、夢か。
しかし何で今頃こんな夢を……」



 真っ暗な部屋の中、ソファーの上で起き上がって携帯電話を手に取った。



 彼の名前はレイン・ミラー。
 歳は二十三。背が高くて細身。髪は少し長く、癖なのかツンツンと立っていて、顔は鼻が高く堀が深い。
 目は青色で鋭い目付きが印象的だ。


 携帯電話を開いたその時、また着信音が鳴り出した。



レイン「おっと! もしもし?」



シャリオ「おうレイン! 今暇か?」



レイン「なんだシャリオか。
……今起きたとこだ」



シャリオ「……起きたって今夕方の六時だぞ」



レイン「あ? 嘘だろ?」



 レインはソファーから降りて、リビングのカーテンを開ける。
 すると日はもう沈んでおり、街のネオンが明々しく目に入ってきた。
 どうやらかなり寝ていたようだ。



レイン「あー……マジだな。
で、何の用だよ?」



 携帯電話を片手にカーテンを閉め、ソファーに座り足を組んだ。



シャリオ「ああ、お前に任務らしいぜ。
とりあえず組織本部に来いよ。
わざわざ俺から電話してやったんだ、ありがたく思え」



レイン「はいはい。どーも」


 そう言ってレインは電話を切った。
 任務等の電話は組織の担当の者が電話をかけてくるのが普通だ。

 シャリオからの電話を不思議に思いながらレインは用意をした。

 真っ黒なスーツに、コート。
 これが仕事時の服装だ。
 レインは家から出てエレベータで降り、マンションの駐車場に向かった。
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