君が綴る物語(仮)
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まだ、あまり生徒が登校していない早朝の学校。
その離れにある年季の入った古い第一図書館。
こんな朝の早い時間に図書館を訪れる生徒はいるはずもなく、そのうえ生徒たちの殆どは新しく出来た第二図書館を使用するので、この建物に近づく生徒は滅多にいない。
だから、辺りはしーんと静まり返っていて、人の気配を微塵も感じない。
たまに、朝練をしている運動部の掛け声などが聴こえてくるだけである。
そんな図書館の片隅――、童話コーナーに一人の少年が立っていた。
一見、老人の様にも見える白髪に白い肌、中性的な顔立ちでその瞳の色は紅い。