君が綴る物語(仮)
「それじゃあ、月宮君。自己紹介してくれるかしら?」
担任は黒板に俺の名前を書くと、俺に向き直りそう言った。
「……月宮、白兎。よろしく」
「月宮君は、小学六年生までこっちに住んでいたそうで知っている人もいると思います。わからないこともあると思いますし、教えてあげてくださいね」
何か、小学生に言い聞かせている感じがするのは俺だけかな。
「それじゃあ、月宮君の席はあそこよ」
担任は、窓際の一番後ろの席を指した。
丁度、アイツの後ろか……嬉しいような、面倒臭いような……複雑な気持ちになるな。
俺は、そんなことを思いながら自分の席へと向かった。