いつかの君と握手
せっかく半信半疑の状態まで持っていけたのに、ねこの精霊で丸つぶれになってしまったではないか。
ああ、センスのない自分が嫌!


「あははははは、ミャオってばー。
あ、そ、それより、帰らないといけないのは本当なの?」


はう!?
それは完全に事実です!


「そ、そうだ! 時間がないんだった!」


イノリと再び出会うにしても、帰らないことには何も始まらないのだ。


「と、とにかく移動してみよう。イノリ、背中にのって」

「うん」


よいしょ、と再び背負う。
さっきと同じく、少しよろけたのち、歩き出した。


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