いつかの君と握手
「奢られるほどのことじゃないからいいよ。うーん、でもどうしようかな。財布の中身がなー」


こないだ本や服を買いすぎたからお金がないんだよなー。
うーん、やっぱバイトでもしなくちゃダメかなー。


「気にしなくてもいいぞ。俺、三津さんの店のタダ券持ってるから」

「ぬ!? 三津の!?」

「ちょうど二人分ある」


どうする? とイノリが訊いた。


三津の店と言えば、いつだったかランチのパスタが絶品だとテレビで紹介されてた!

確か海老のトマトクリーム!
ぷりんぷりんの海老がたっぷりの!

行くしか。もう行くしかないだろう。


「行く! 海老食べたいです! じゃあすぐ行こうぜ」


ひゃっほい、とカバンを掴んだあたしを、イノリが苦笑しながら見ていた。


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