いつかの君と握手
「でも、やっぱりさ、ハッピーエンドって祈くんと風間さんが共に暮らすことなんじゃないかって思っちゃうわよねえ。
これってきっと、観客のわがままなのよね。エンディングの先にも、その人たちの歩むべき人生があるんだもんね」
「そうなんですよね……」
同じようにため息をつくと、イノリが店から走って出てきた。
膨らんだコンビニの袋をぶんぶん振り回している。
「ミャオー! 三津さんがアイス買ってくれたよー」
「マジ? チョコモナカある? チョコモナカ!」
「え? えーと、ない」
「ないい!?」
アイスといえばチョコモナカだろ。
モナカがさっくさくのやつ。さっくさくのやつ。
「オレがキライなんだもーん。歯にくっつくからイヤ」
後ろから付いてきている三津がぶんぶんと首を横に振った。
「歯ってそれは食べ方の問題じゃないの!? え、じゃあ何のアイスがあるの?」
「ホーム●ンバーオンリー!!」
「はあ!? 孝三かよ!」
「コウゾウって誰だよ」
「あたしの父親だよ!」
孝三にアイスを頼んだら、何故か毎回ホームラ●バーなのだ。
欲しているアイスの商品名からパッケージの風体までを事細かに説明しても、買ってくるのは必ずホー●ランバーなのだ。
結果、選択肢はバニラとチョコしかないのだ。
どれだけイチゴ味を欲していたとしても。
あ、ちなみにあたしはチョコ派だ。バニラよりも断然チョコ。
孝三はさておいても、ホームラン●ーに罪は微塵もない。
冷凍庫で永遠に凍るよりもあたしに食べられたほうが幸せに決まっている。
孝三にお決まりの文句をひとしきり言った後、いつも美味しく頂いております。
てなわけで。
「あたしチョコがいい」
「食うのかよ!」
むきい、と猿のごとく叫んだ三津の袋から、見慣れたパッケージの棒アイスを取り出す。
うーん、この安心感は、いいよね。
「イノリはどっちー?」
「おれもチョコー」
「アタシはバニラよ、絶対」
「あの、オレに選択肢はないんすか」
「あ、三津サンにはとっておきのバニラがありますよ」
「余りモンじゃねーか!」
これってきっと、観客のわがままなのよね。エンディングの先にも、その人たちの歩むべき人生があるんだもんね」
「そうなんですよね……」
同じようにため息をつくと、イノリが店から走って出てきた。
膨らんだコンビニの袋をぶんぶん振り回している。
「ミャオー! 三津さんがアイス買ってくれたよー」
「マジ? チョコモナカある? チョコモナカ!」
「え? えーと、ない」
「ないい!?」
アイスといえばチョコモナカだろ。
モナカがさっくさくのやつ。さっくさくのやつ。
「オレがキライなんだもーん。歯にくっつくからイヤ」
後ろから付いてきている三津がぶんぶんと首を横に振った。
「歯ってそれは食べ方の問題じゃないの!? え、じゃあ何のアイスがあるの?」
「ホーム●ンバーオンリー!!」
「はあ!? 孝三かよ!」
「コウゾウって誰だよ」
「あたしの父親だよ!」
孝三にアイスを頼んだら、何故か毎回ホームラ●バーなのだ。
欲しているアイスの商品名からパッケージの風体までを事細かに説明しても、買ってくるのは必ずホー●ランバーなのだ。
結果、選択肢はバニラとチョコしかないのだ。
どれだけイチゴ味を欲していたとしても。
あ、ちなみにあたしはチョコ派だ。バニラよりも断然チョコ。
孝三はさておいても、ホームラン●ーに罪は微塵もない。
冷凍庫で永遠に凍るよりもあたしに食べられたほうが幸せに決まっている。
孝三にお決まりの文句をひとしきり言った後、いつも美味しく頂いております。
てなわけで。
「あたしチョコがいい」
「食うのかよ!」
むきい、と猿のごとく叫んだ三津の袋から、見慣れたパッケージの棒アイスを取り出す。
うーん、この安心感は、いいよね。
「イノリはどっちー?」
「おれもチョコー」
「アタシはバニラよ、絶対」
「あの、オレに選択肢はないんすか」
「あ、三津サンにはとっておきのバニラがありますよ」
「余りモンじゃねーか!」