Raindrop~Mikoto side
『頑張ったご褒美にアキを向かわせるから、ちょっと待っててね』

『ちょっ、ユズっ!』

『あんまり相談してこなくて寂しいってボヤいてたクセに。ちゃんと助けを求められたんだから行ってあげなさいよ』

『アンタは水琴を甘やかし過ぎなのよっ』

『そりゃあ、大好きなアキの親友だからね』

『……くそっ』

『ほらほら、そんな言葉使わないんだよ~。かわいい顔が台無しだよ~』

『煩いわねっ、行けばいいんでしょ、行けば!』

電話の向こうで羨ましいくらいの痴話喧嘩を聞かされたのち。

『酒はそっちで用意しなさいよ! いいわねっ!』

と、ぶつりと切られた。

「……奢るって、言ったのに……」

ぐずっ、と鼻を鳴らしながら携帯をたたんで、ごしごしと涙を拭いた。



それから柚貴くんに送られてアキちゃんがやってきた。

今日は女子会にしなさい、と柚貴くんは気を利かせて帰って行って。

朝方までアキちゃんと2人で飲んだ。

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