Raindrop~Mikoto side
「ずっと立っていると足に障りますよ。座ってください」
「あ、え、ええ」
カウンター下にあるスツールを引いて腰掛けると、その前にコトリ、と茶碗を置かれた。
ふわりと白い湯気の上がるそれは、蜆のお味噌汁。ズキズキ痛む頭にも、ムカムカ気持ち悪い胸も優しく包み込む味噌の香り。
……ああ、目が覚めたときに良い匂いがすると思ったのはこれだ。
その隣に、梅干の乗った小皿も置かれた。
「それはアキさんからです」
「あ……そう。ありがとう」
いつも私が二日酔いで苦しんでいるときにアキちゃんが買ってきてくれる、とっても酸っぱい梅干を見下ろす。
アキちゃん……本当にどうして和音くんに私を任せたの……後で問い詰めないと……。
「ご飯も炊けていますが、どうしますか?」
「あ……いえ、ごめんなさい、そこまで食欲が……」
「じゃあ全部冷凍にしておきますね」
「へっ?」
「他の物も小分けにして冷凍にしますから。今日食べるぶんくらいは冷蔵にしておきますか?」
「あ……ああ、あの、和音くん」
「はい」
「あ、え、ええ」
カウンター下にあるスツールを引いて腰掛けると、その前にコトリ、と茶碗を置かれた。
ふわりと白い湯気の上がるそれは、蜆のお味噌汁。ズキズキ痛む頭にも、ムカムカ気持ち悪い胸も優しく包み込む味噌の香り。
……ああ、目が覚めたときに良い匂いがすると思ったのはこれだ。
その隣に、梅干の乗った小皿も置かれた。
「それはアキさんからです」
「あ……そう。ありがとう」
いつも私が二日酔いで苦しんでいるときにアキちゃんが買ってきてくれる、とっても酸っぱい梅干を見下ろす。
アキちゃん……本当にどうして和音くんに私を任せたの……後で問い詰めないと……。
「ご飯も炊けていますが、どうしますか?」
「あ……いえ、ごめんなさい、そこまで食欲が……」
「じゃあ全部冷凍にしておきますね」
「へっ?」
「他の物も小分けにして冷凍にしますから。今日食べるぶんくらいは冷蔵にしておきますか?」
「あ……ああ、あの、和音くん」
「はい」