Raindrop～Mikoto side

「そうそう、ユズの言う通りよ。アンタ冬はコンサートが続くんでしょ。自己管理しっかりしなさいよ。よく寝て、よく食べて。風邪なんかひいてらんないんだから」

「そ……そ、そう、ね……」

アキちゃんの言葉に、私は青くなりながら頷く。

その様子を見たアキちゃんと柚貴くんは、顔を見合わせて首を傾げた。

「なによ、また何かあったの？」

「何かあった、っていうか……これから試練が待ち受けているというか……」

「は？」

「わ、私、和音くんにお料理を教えてもらう約束をしちゃって……まさかここまで酷い醜態さらしてるなんて、思ってなかったから……」

昨日、和音くんの優しい言葉に甘えて、料理を教えてもらうことになったという話を、ぼそぼそと２人に説明する。

「あっははははは、そりゃいいわ！」

アキちゃんは豪快に笑った。

「笑い事じゃないわよっ！」

和音くんが昨日、どんな気持ちで私を見ていたのかと思うと、本当に泣きたい気分だ。