Raindrop~Mikoto side
「あ、あわわ、どうしよう、どうすれば?」

オロオロしている私の目に、ボウルに入った卵の液が映る。

「そうだ、これを流し込めばいいのよね。卵焼きって、そう」

と、十個分の卵液を、一気に流し込んだ。

じゅわわわっと物凄い音がして、その後、煙は少し落ち着いたけれど。

「この後、どうすれば?」

再び難問にぶつかる。

卵焼きって、くるくる巻かれていなかっただろうか。

なんて考えている間にも、フライパンから溢れそうな卵液は、ブクブク言い出した。

「そうか、引っくり返すのね」

菜箸をぐつぐつ言う卵に差してみたのだけれど、ボロボロになるばかりで全然引っくり返せない。

「そうだ、フライ返しを使うのね」

確か引き出しに入れてあったはず、とフライ返しを探しているうちに、なんだか焦げ臭くなってきた。

顔を上げたら、さっきよりも更に黒い煙がフライパンから上がっていた。

「きゃあああ、どうしよう、火事!?」

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