Raindrop~Mikoto side
「……水琴さん、天才ですよ」
キッチンから窓の外を眺め、たなびく茜色の雲を見つめながらそう言う和音くんは、空よりも更に遠くを見ているようだった。
「う、ううう」
私は涙を浮かべながらアメーバと化したクッキー生地をぐしゃりと潰した。
その日はもう何度やってもうまくいかなかった。
花音ちゃんと約束してしまったからにはそう日にちを空けるわけにもいかず、用事がないという和音くんにお願いして次の日も特訓をした。
そして次の週の土曜日ももちろん特訓。
日曜日も当然のごとく特訓。
そうしてやっと、かわいらしいウサギの形が出来た。
「やった、やったわ、すごくおいしそうに出来たわっ!」
焼きあがったウサギのクッキーを眺め、思わず和音くんに飛びついた。
「これで来週には持って行けるわ。ありがとう和音くん!」
感謝の気持ちと嬉しい気持ちを合わせ、ぎゅっと抱きしめてパッと顔を上げたら、珍しく無表情な顔をした和音くんと目があった。
キッチンから窓の外を眺め、たなびく茜色の雲を見つめながらそう言う和音くんは、空よりも更に遠くを見ているようだった。
「う、ううう」
私は涙を浮かべながらアメーバと化したクッキー生地をぐしゃりと潰した。
その日はもう何度やってもうまくいかなかった。
花音ちゃんと約束してしまったからにはそう日にちを空けるわけにもいかず、用事がないという和音くんにお願いして次の日も特訓をした。
そして次の週の土曜日ももちろん特訓。
日曜日も当然のごとく特訓。
そうしてやっと、かわいらしいウサギの形が出来た。
「やった、やったわ、すごくおいしそうに出来たわっ!」
焼きあがったウサギのクッキーを眺め、思わず和音くんに飛びついた。
「これで来週には持って行けるわ。ありがとう和音くん!」
感謝の気持ちと嬉しい気持ちを合わせ、ぎゅっと抱きしめてパッと顔を上げたら、珍しく無表情な顔をした和音くんと目があった。