Raindrop~Mikoto side
襲われても文句は言えないって。

和音くんに襲われるかもしれないってこと?

……そんなことあるはずないじゃない。だって和音くんだもの。


そう思いながら、先日クッキーを焼いたときに見せた彼の大人びた笑顔を思い出して。

なんだかきゅっと胸が痛んだのは。

気のせい……かしら。




小さな戸惑い。

確実に増えていく心の奥底の波紋。



──違う


落とされる温かい雨。


──違う


自分でも気づかないところで、背後で降る優しい雨に背を向ける。


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