Raindrop~Mikoto side
「ええ、もちろん」

本当に先が楽しみな子だ。

将来、同じステージで共演することもあるかしら……。それを想像すると、胸が弾んだ。



それから、私の作った料理を食べたり、またヴァイオリンを演奏したり。

一人ずつ弾くのが寂しくなってきたので、ヴィオラを引っ張り出してきてデュエットしたり、ふざけあうように歌ったり。

そんな風に過ごしていたら、冬の短い日はあっと言う間に暗闇に包まれてきた。

「和音くんといると時間が経つのが早いわね」

本当に楽しい時間だったから、暗くなっていく外が恨めしいくらい。

もう少し、一緒に笑っていたいけど……それは駄目よね。


冷蔵庫に入れていた瓶の中から、オレンジジュースを選んで栓を開け、和音くんのグラスに注いだ。

あまりにも楽しくて、休憩も取らずに弾きっぱなしだったから、喉がカラカラだ。

和音くんもそうだったのだろう。

すぐにグラスに口をつけた。

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