Raindrop~Mikoto side
「ああ、コンサートで思い出したけど、君のことはゆくゆくはウチでプロデュースさせてもらうことになるけど、構わないよね?」

「えっ?」

「事務所には話を通すから。まあ、広告塔というか、イメージガールというか。それくらいなら君も会社に関わっていた方がいいかと思って。お父上も心強いだろうしね」

「そういうことでしたら……はい、お任せします」

「うん、悪いようにはしないから、任せておいて」

ニコリ、と微笑む一条隆明。

それは想像していたものよりずっと人懐こい笑みで、一先ずほっとする。

鬼のように怖い人だったらどうしようかと思っていたけれど、そういう人ではなさそうだ。

「式場は一応決めてあるけど、君に希望があるなら聞くよ。主役は花嫁の君だからね。招待客の都合上、披露宴だけは日本でやらさせてもらうけど、挙式は身内だけでとか、海外でもいいし」

「……いえ、特に希望はありません」

「そう。じゃあ俺の決めたところでいいかな。一条の中では一番人気のホテルだから、君にも気に入ってもらえると思うけど。後は新居なんだけど……」

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