Raindrop~Mikoto side
一条隆明は淀みなく、今後の生活について提案してくる。

私はただ、それに頷くだけだった。

「あんまり意見はないようだけど、本当にそれでいいの? こういうのは女性の方が色々と夢を持つものだと思うんだけど」

二つ返事しかしない私を心配したのか、彼はそう聞いてきた。

「あ……いえ、その……あまり考えたことがなくて……」

「ああ、まだ21歳だっけ。若いから当然か。でももう少し我侭言ってくれて構わないよ。こちらからも結構無理な提案をさせてもらうからね」

「……無理な提案、ですか?」

「ああ。そうだな、もう最初から言ってしまった方がいいか。これからパートナーになる君に隠し事はしない方がいいしね」

一条隆明は人懐こい笑みを浮かべたまま、言った。

「俺の愛人を、容認して欲しい」

真っ直ぐに私を見つめながらそう言う彼に、言葉を失った。

一条隆明は更に続ける。

「その代わり、君のことも自由にしてあげよう。どうだろう。利害は一致していると思うんだけど」

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