Raindrop~Mikoto side
その日は一条隆明と夕食を共にし、すぐに自分のマンションへ帰って来た。
一流ホテルのフランス料理はとても豪華だったけれど、彼と会話しながらの食事は全然楽しくなくて、料理もおいしいとは感じられなかった。
「疲れた……」
溜息をつきながらソファに座り込む。
受け取ってきた封書を開けて、式場のパンフレットを眺めた。
真っ白なウェディングドレスのカタログは華やかだったけれど、心が惹かれない。見ていてつまらない。
パンフレットをテーブルの上に放り投げ、今後のスケジュールの書かれた書類に目を通した。
「……何これ」
目に付いたのは、私と隆明さんのプロフィールと、馴れ初め。
もちろん馴れ初めなんてものはない。向こうが勝手に作ったもので、婚約発表の日までに覚えるようにと書かれていた。
「約1年前、水琴のファンだった隆明は、関係者を通じて知り合うと猛アタックを繰り返し……」
読み始めたものの、苛ついてぐしゃりと紙を丸めた。
けれどすぐに思い直して皺を伸ばし、書かれていることを頭の中に叩き込んだ。
一流ホテルのフランス料理はとても豪華だったけれど、彼と会話しながらの食事は全然楽しくなくて、料理もおいしいとは感じられなかった。
「疲れた……」
溜息をつきながらソファに座り込む。
受け取ってきた封書を開けて、式場のパンフレットを眺めた。
真っ白なウェディングドレスのカタログは華やかだったけれど、心が惹かれない。見ていてつまらない。
パンフレットをテーブルの上に放り投げ、今後のスケジュールの書かれた書類に目を通した。
「……何これ」
目に付いたのは、私と隆明さんのプロフィールと、馴れ初め。
もちろん馴れ初めなんてものはない。向こうが勝手に作ったもので、婚約発表の日までに覚えるようにと書かれていた。
「約1年前、水琴のファンだった隆明は、関係者を通じて知り合うと猛アタックを繰り返し……」
読み始めたものの、苛ついてぐしゃりと紙を丸めた。
けれどすぐに思い直して皺を伸ばし、書かれていることを頭の中に叩き込んだ。