Raindrop~Mikoto side
「私を好きだなんて……何か、間違えているのよ。そう、最近は一緒にいることが多かったから……」

「……何故貴女が勘違いだと決めるんですか」

「だって、それ以外考えられないものっ。そうでなかったら、お酒のせいで失敗してしまったことを気にかけているだけなのよ。貴方は真面目な人だから、責任とか、そういうのを感じているだけっ……」

何とか和音くんを説得しようと……彼の中にある想いを勘違いだから忘れるようにと、伝えようとしているところへ。

コンコン、と。

部屋のドアをノックする音が聞こえた。


「お兄ちゃーん、音しないけど、もう終わったの~?」


……花音ちゃんだ。

正直ほっとした。

妹にこんな場面を見られることは避けたいだろうと……思ったのだけれど。

和音くんは一向に私の前から動こうとしない。

私は焦る。

「花音ちゃんが……」

和音くんの胸を軽く押し、そう言う。

「そうですね」

「見られて」

「別に構いません」

「和音くんっ……」

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