Raindrop~Mikoto side
ほのぼのしながら『春』の楽譜をピアノの譜面台から持ち上げると。
何かがひらり、と舞い落ちて、拓斗くんの足元に落ちた。
「水琴先生、何か落ちましたよ?」
拓斗くんが拾い上げてくれたそれは、映画のチケットの半券だった。
「あ、それは……」
一ヶ月前、身も心もボロボロになっていた頃に、アキちゃんに無理やり連れて行かれたアクション映画だった。
大好きな中国のアクションスターが主演の、楽しみにしていた映画だったのだけれど、そのときは全然ストーリーが頭に入ってこなくて。
もう一度観に行こうと思っている作品だった。
その半券が何故こんなところに。……ああ、部屋が汚すぎて紛れ込んだのかしら。やっぱりちゃんと片付けないと駄目ね……。
「水琴先生、こういうの好きなんですか?」
水色の半券を拾い上げ、映画のタイトルを見て拓斗くんは目を丸くする。
「あ、ええ。アクション映画、結構好きなの。あの爽快感がたまらなくて」
意外だね、と良く言われるのだけれども。
拓斗くんもそんな顔をしていた。
でもすぐにかわいい笑顔になって。
「僕も好きです」
と、意外なことを言った。
何かがひらり、と舞い落ちて、拓斗くんの足元に落ちた。
「水琴先生、何か落ちましたよ?」
拓斗くんが拾い上げてくれたそれは、映画のチケットの半券だった。
「あ、それは……」
一ヶ月前、身も心もボロボロになっていた頃に、アキちゃんに無理やり連れて行かれたアクション映画だった。
大好きな中国のアクションスターが主演の、楽しみにしていた映画だったのだけれど、そのときは全然ストーリーが頭に入ってこなくて。
もう一度観に行こうと思っている作品だった。
その半券が何故こんなところに。……ああ、部屋が汚すぎて紛れ込んだのかしら。やっぱりちゃんと片付けないと駄目ね……。
「水琴先生、こういうの好きなんですか?」
水色の半券を拾い上げ、映画のタイトルを見て拓斗くんは目を丸くする。
「あ、ええ。アクション映画、結構好きなの。あの爽快感がたまらなくて」
意外だね、と良く言われるのだけれども。
拓斗くんもそんな顔をしていた。
でもすぐにかわいい笑顔になって。
「僕も好きです」
と、意外なことを言った。