Raindrop~Mikoto side
「……」

そこまで考えて、ふと、気づいた。

鐘の音。

実際に聴いてみたら……どうだろう。

小さな鈴のようなものから、大きなものまで。和音くんが望むような音を一緒に探し出して、それをイメージしながら弾くというのは……。


どくん、と心臓が動いた。

鐘なら、ある。

教会に行けば……。

ちょうど明日は、盛大に鳴らされる……はず。


「そう、分かりました。じゃあねぇ……明日の予定は空いてる?」

そう訊ねる私の心臓は、苦しいくらいに脈打っている。

笑顔を作り続けるのが辛いくらいに。

「僕ですか? ええ……特に予定はありませんけど」

和音くんがそう答えた瞬間、私の中で覚悟が決まった。

「じゃあ明日、私とお出かけしましょう」

「……は?」

「私とデート、してくれる?」


< 67 / 251 >

この作品をシェア

pagetop