そうして全部溶けてしまえばいい。


「……俺、そういうのやめたんだわ」

「やめたくても、やめられないよ…」

「俺の場合それどころじゃなくなったっつーのもあるかな」

「……どういう意味?」


篠原は俯いてハニカミながら話し始めた。

「守りたいものができたんだ。絶対守りたいものが。そうなればクラスのやつらの仲間ごっこがすげーくだらなくなってどうでもよくなって、こんな偽物守る価値ねぇんだなぁって理解った」

「守りたいものって一緒に住んでる年上の女の人?」


あたしがぽつりと呟いた言葉に篠原は苦笑した。

「……女子高生の情報網ってすげーな」


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