そうして全部溶けてしまえばいい。
あたしは自分のスニーカーの爪先を眺めながら歩く。
「あたし好きな人も彼氏もいないもん」
「どーして女子高生はそうやってすぐ話を恋愛に結びつけんだよ?俺の場合はたまたま恋愛だっただけ!別に本気で守りたいと思えるものなら何だっていいんだって!絵を描くことでもギター弾くことでも、何でも!」
「……見つかるかなぁ」
「ばーか。見つけるために生きてんだろ」
フッと篠原の顔を見上げると、あまりに綺麗に笑っていたのであたしは思わず見とれた。
あたしもこんな風に笑える日がくるのだろうか?