そうして全部溶けてしまえばいい。
分かれ道にきた。
「あ、俺左だから」
「あたし右」
「おう。じゃーな」
「うん。じゃーね」
篠原はスタスタと背をむけて帰っていく。
あたしはその広い背中をしばらく眺めていた。
「ねぇ!!!!!!」
あたしの大声に篠原が振り返る。
「今度あたしも屋上に遊びにいっていーい?!?」
篠原は笑ってくれた。
あの綺麗な笑顔で。
そしてまた背をむけて歩き始めた。
あたしは走り出した。
嬉しくて
楽しくて
足取りが軽い。