そうして全部溶けてしまえばいい。のレビュー一覧
――そうして全部溶けてしまえばいい このタイトルが放つ強烈な独特の雰囲気。それに強く惹かれてしまいました。 砂糖がさらさらと崩れ落ちるような感覚なのか、熱い蝋がどろどろと伝うような感覚なのか、コーヒーに白いミルクを垂らすような感覚なのか。 タイトルだけで、この物語の"溶ける"ってどんな感じなのか、を何時間でも考えてしまうような気がします。 爽やかで清々しくて、思春期の「青色」を残していく物語。そして最後のページに書かれた「そうして全部溶けてしまえばいい」の一言。 溜息が零れて、何度も 「そうして全部溶けてしまえばいい」と呟いてしまいます。 ちょっと立ち止まってしまった時、「そうして全部溶けてしまえばいい」と呟いてみて下さい。そしてこの物語に触れてみればいい。 きっとこの物語が持つ青色に侵食されるんじゃないかな、と思います。 是非ご一読を。
思春期のざわざわしたところがよく出ていたと思います。自由な彼の私生活にもうちょっと記述があればもっと満足できたかもです。
この透き通った感じ、なかなか見掛けない貴重な作品でございます。 人にも因るでしょうが私は「格好イイ」と思ったのです。 タイトルから文章から選ぶ言葉も全部、格好イイ。 全28ページ、どうぞ行ってらっしゃいませ。
とにかく、構成力のある作家さんです。 リズム感のあるイメージしやすい文章は、登場人物の心情にいつしか自分も入ってしまい… そして訪れる「転&結」に爽快感を覚えます。 28ページという短いなかで、思春期の少女の悩みと、希望が、完璧に描かれています! オススメです!
短く、すごく日常的で、読んでいるとなんだか彼女には明日からいいことがありそうな予感をさせてくれる素敵な作品でした!!