ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
マサキは自分の下半身を見て、
「これが、俺の最終章なんだ……」
「……!」
私は目をむいた。
高校時代、マサキと抱き合うことは何度かあった。
部屋でじゃれあいキスをしているうちに、自然とそういう雰囲気になっていた。
私の体を熱くさせた後、マサキの性器は決まって天を向いてそそり立ち、私の奥を目指していた。
なのに今は、どういうわけか、マサキの性器は、彼の暗い表情を反映しているかのように元気を失っている。
その理由を、すぐには察することができなかった。
もしかして、私に魅力が無くなったから……?
男性は、パートナーの女性に魅力を感じなくなると、性的反応を示さなくなると聞いたことがある……。
楽観的なアサミがああも心配していたのは、こういうことだったの………!?
悲しくなり、私の体は震えた。
「ミオのせいじゃない」
マサキは言い聞かせるように、私を抱きしめた。
「抱きたいけど、抱けない。
あの時の事故の後遺症なんだ……。
今の医療では、治療法がないって言われてる」
「あの時の……!?」
18歳の頃、マサキは交通事故にあったことがある。
高校の卒業式を目前にひかえた1月下旬。
自由登校期間中の出来事だった。