ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
どこにでもある、街のラブホテル。
薄暗い部屋。
ベッドの上。
私は、同じ大学に通う桐島サク(きりしま·さく)と抱き合っていた。
夏になると、普段静まっている本能が盛り上がるとでもいうのか。
午前の講義を終えるなり、私達は大学を出て、抱き合うための場所を探した。
どうでもいい話で場の空気を保ちつつホテルに到着すると、サクは迷いもせず部屋を選んだ。
扉を閉めるなり、シャワーも浴びずに互いの肌を求め合う。
でも、キスはあまりしない。
それが、いつの間にか私の中に成り立っていた無言のルール。
私とサクは、いわゆる“セフレ”という関係。