ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
「アサミ、もういいよ……。
ありがとう」
止めに入る私を無視し、アサミは電話に集中していた。
『悪気があったんじゃない……。
ミオを苦しめるとか、マサキにはそんなつもり……』
「そんなつもりなくても苦しめられてんの!
ヒロは、何でそんなにマサキばっかりかばうワケ?
親友だから?」
『……違う』
「ウソ!
男は、彼女より友情を大事にするって名言があるくらいだもんね!?」
『…………』
「友達だと思ってたのに、ヒロにはガッカリした……。
あたしはミオの味方になる!
会うなって言われたって、マサキに会ってやるから!」
アサミは言い、一方的に電話を切る。
最後の方、何かを隠すように無言だったヒロ。
その気配が、電話を切っても私達の周りに漂っていた――。
《Ⅲ 見えなかった…終》