ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
今夜、ヒロとマサキは、ヒロの先輩が働いている居酒屋に行く。
私達は、ヒロに頼んでそこに合流するはずだったんだけど、電話の流れで、それはナシになった。
けれど、そこであきらめるアサミではない。
もちろん私も、同じ気持ちだ。
アサミはいったん帰宅した。
偶然にも、同じように夜通しマサキの小説を読んでいた私達。
戦い(!)に備え、お互い、予定時刻まで家で眠ることにした。
夜になったら、私とアサミは、ヒロ達が飲みに行く居酒屋に向かうつもりだ。
ヒロがなぜ、ああも強く反対するのか分からないけど、だからこそ、やっぱりマサキと会って話さなくてはと感じた。
このままじゃ、なにもかも中途半端すぎて、全然前に進めない……。
マサキの書いたケータイ小説『肌』。
今さらだけど、なんであんなタイトルにしたんだろ?
もっと、内容が分かるやつにすればいいのに、『肌』に関する内容なんて書いてなかった。
今のところは、私と過ごしたツッコミどころ満載の日常が面白おかしく綴られているだけ。
これに感動してくれた人がたくさんいたなんて、関係者としては照れくさく、申し訳ない気持ちにもなる。
マサキはどうして、書籍化の話を引き受けたんだろう?
小説家を目指している人ならともかく、マサキは大手ビールメーカーの社員として日々努力し、奮闘している。
それに、ヒロも言ってたけど、最初は書籍化の話が来てもマサキは乗り気じゃなかったみたいだし……。