ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
もしも願いが叶うのなら、もう一度、あの頃に戻りたい。
マサキと笑い合った高校時代に……。
もう、マサキと通じ合える日が来ないというのなら、私はきっと、この先誰のことも好きになれないと思う。
――…夜、7時。
私は、連続で鳴るインターホンの音で目を覚ました。
暗い部屋の中に明るいメロディーが鳴り響くのが、少しこわかった。
悲しい夢を見ていた気がするけど、それも一気に吹き飛ぶ。
「……やばい! アサミと約束してたんだった!」
インターホンを鳴らしているのはアサミだ。
約束の時間を30分も過ぎている!
私のために協力してくれてるのに!
冷や汗が出た。
真っ暗な部屋。
開きっぱなしのカーテン。
急に心細くなり、急いで部屋の明かりをつけ、玄関に向かった。
寝坊したことを軽く怒られると思っていたのに、私が玄関の扉を開けると、
「ミオ、大丈夫!?
目、赤いよ……?」
アサミは、珍しく深刻な顔で玄関先に立っていた。