詩集 闇の中の供物
ナパーム
ナパーム
燃え広がるのは
機能的に当然だろう
なぜかは知らない
さっきまではただの誰か
投下したキッカケは
…忘れた!
一面の火の海に立つ
燎原の炎
いつもの風景
燃え尽くすことだけを望んで
いつもいつも
灼熱に投げ込まれ
のたうちまわる
オーガズムのように
きっとこの炎は
世界を焼き払うんだろうな
愛が燃やし尽くしたあとに
最後に残るのが
真実なんだと
最初に焼け爛れていくのが
自分なんだと
こうして思い知っていくんだ