僕は自分がどれだけ幸せかを知らない
問一、何故やる気が出ない?
初めて会ったのは夏休みの神社だった。
7月から遊びすぎてお小遣いがかなりの窮地に立たされていた僕は、祖父の手伝いをして増やそうと考えた。
そして今、神社で草むしりをさせられている。
あぁ、将来働きたくない…。
「坊主、高校生か?」
草むしりを手伝っているのは僕以外にも、神社が雇ったアルバイトさんもやっている。
話しかけてきたのは、40代くらいのおじさんだった。
「中学三年生です。皇子埜中です。」
名前は土方 刀。カタさんと呼ばれていたおじさんだ。
「受験生か、何処の高校受けるんだい?」
「まだ決めてません。」
早く決めたほうがいいのはわかっているが、なかなか覚悟が決まらない。
「部活は何かしてんのか?」
「サッカーしてます。」
副副副キャプテンくらいの権力を持っている。
自慢じゃないが学校でも試合でもボールを盗られたことが無い。
「楽しんでるか?」
「…。」
返事が詰まる。
「それが、最近やる気が出なくなっちゃって…。もうすぐ部活も終わりだって言うのに…。どうしたらいいんでしょうか?」
「知らんよ。」
でしょうね。
「でもな。やる気って言うのは出すものだ。自然に出るのも大事だがいつもそれじゃいけない。出すんだ。無くてもゼロから作り出すんだ。」
ちょっと励まされた。
「あの…カタさん。」
「どした?」
「後ろで取った草こぼしてますよ。」
「いけねーー!!」
あわてて抜いた草をもう一度かごに入れ戻すその姿を見た僕は思った。
(カタさんは幸せなんだろうか?)
7月から遊びすぎてお小遣いがかなりの窮地に立たされていた僕は、祖父の手伝いをして増やそうと考えた。
そして今、神社で草むしりをさせられている。
あぁ、将来働きたくない…。
「坊主、高校生か?」
草むしりを手伝っているのは僕以外にも、神社が雇ったアルバイトさんもやっている。
話しかけてきたのは、40代くらいのおじさんだった。
「中学三年生です。皇子埜中です。」
名前は土方 刀。カタさんと呼ばれていたおじさんだ。
「受験生か、何処の高校受けるんだい?」
「まだ決めてません。」
早く決めたほうがいいのはわかっているが、なかなか覚悟が決まらない。
「部活は何かしてんのか?」
「サッカーしてます。」
副副副キャプテンくらいの権力を持っている。
自慢じゃないが学校でも試合でもボールを盗られたことが無い。
「楽しんでるか?」
「…。」
返事が詰まる。
「それが、最近やる気が出なくなっちゃって…。もうすぐ部活も終わりだって言うのに…。どうしたらいいんでしょうか?」
「知らんよ。」
でしょうね。
「でもな。やる気って言うのは出すものだ。自然に出るのも大事だがいつもそれじゃいけない。出すんだ。無くてもゼロから作り出すんだ。」
ちょっと励まされた。
「あの…カタさん。」
「どした?」
「後ろで取った草こぼしてますよ。」
「いけねーー!!」
あわてて抜いた草をもう一度かごに入れ戻すその姿を見た僕は思った。
(カタさんは幸せなんだろうか?)
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