僕は自分がどれだけ幸せかを知らない
問五、初詣で変わったものは?
「おぉぉぉぉ…!!目が…目がぁぁぁぁ…!!」
12月31日。
ついにやってきたXデー。
朝日に目が焼かれ、苦しみに打ちひしがれて目覚めた洒冴。
「お兄ちゃん?今日はデートでしょう?」
「デートじゃないし、まだまだ時間はある!寝させろ!」
布団に引きこもる洒冴、低血圧で朝に弱いのだ。
「あっそ、じゃあ今島井さんから電話がかかってきたんだけど…」
「寄越せ!!」
覚醒!
マジに真の覚醒!!
「らいあー♪」
「?」
「う・そ♪」
ダ・マ・サ・レ・タ!!
「死ッッッねぇぇぇぇ!!!!」
「とぉーーー!」
殺意を持ってかかった僕の右フックはあっさりと避けられ、巴投げ。
「いだっ!!」
「いいからいいから、早く起きろよな。来てるぞ、奴等が。」
奴等…。
奴等が来ているというのか?
奴等が?
ところで奴等って誰だ?
思い当たる節が多すぎる!!
とりあえず、イザというときのために装備を整えて起きよう。


「洒冴!!やっと起きたんかぁ!?」
…奴等って、コレのことか…。
「洒冴ぉぉ!遊ぶ遊ぶ!!」
「遊!遊!遊!遊!!」
ガ・キ!!
「お前はそろそろ日本語話せよな。」
「無!!」
「無駄?無理?どっちの意味だかわからん。」
小学生に来年なる従兄弟の双子。
漢字を何故か音読みでしかしゃべらないこのバカは仁木(ニキ)。
「洒冴ぉぉ!必殺技!!見せてぇぇ!!」
コレが未来(ミキ)。
「あとでな。」
「ケチ!!」
「汚!」
うぜぇ…。
「今は朝日が強いからダメだ。太陽が弱ったら見せてやる。あと、寒いのは嫌だ。」
「ぶーーーーーーー!」
「腐!」
「勝手にほざいてろ。」
朝飯を食べなければ何も出来ない。
僕には未来の君たちに何が出来るというのだろう。
その笑顔は僕を苦しめた朝日よりもまぶしい。
仁木に未来…だから、朝飯を食べさせてくれよな…。



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