The world is changed story
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根を傷つけないように土の奥まで掘り、
あの綺麗な丘の隅っこから少しずつ自分の家に植えた、
少しずつ増やした草。
家に緑を持っている人はほとんどいなく、
これは私の少しの自慢でもあった。
「これはどこから?」
少し驚いた表情の彼。
自慢ではあるけれど、人に見せるのは初めてで、
なんだか嬉しい気分になった。
「さっきの森を抜けた丘から。」
早くご飯が食べたかったけど、一等星が出ちゃったからお祈りを。
お客さんがいるけど、これは欠かせない。
手を合わせて、目を閉じる。
世界の呼吸が聞こえてくるくらい耳を澄まして、
肺の中の空気を捨てて、大きく新しい空気を吸い込む。
自分の庭にある緑を感じながら、空に向かう。
今日私が出会ったかつては人だったもの。
あの魂が安らかに家族の元へ行けるように。
命を貰い、命をつなぐ。
こんな世界でも、生きていける。
生きていく事の嬉しさ、ありがたさを忘れないように。
私は今日も、空を見ることができました。