The world is changed story
柔らかい光
---1ヶ月後
「デイム、危なっ、!!」
え、と思った瞬間には、自分に飛びかかる赤い液体。
ぐちゃり、という音とともに目の前で抜かれる剣。
振り向いた私の顔面には、その剣の刺さっていた先からあふれたものが。
「いっ、た…」
何かが目に入った、と認識するのにかかった時間はどれほどか。
痛みを有してやっとそれに気付いた。
「目に入ったのか!?」
目、に、入ったんだ。
悲しみや憎しみ、後悔などの負の感情が。
ドロドロと自分の中に入ってくる黒い感情。
飲み込まれそうになって、ぎゅっと目を瞑る。
憎い、悲しい、悔しい、どうして、生きたい、苦しい
自分のものじゃないのに、ぐるぐると渦を巻く感情。
抑えることができなくて、どこかで自分の意識が遠くなるのを感じる。
これ、どうなるんだっけ、放置すると失明だっけ。
なんか、フラフラする。
あ、毒気があるんだっけ。
駄目、ぼーっとする…。
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