The world is changed story
目を開けると、目に涙がたまっているように視界がぼやける。
涙を拭こうと手を動かすけれど、それはうまく動かなかった。
「っ…、」
少し身動ぎをすると、目に激痛が。
自分の中にある感情で、さっきの出来事を思い出す。
あ、私、目見えなくなるんだな。
そう思ったら、なんだか妙にリアルに感じて。
怖くて何度も何度も自分にヒールの魔法をかけた。
それでも一向に視界はよくならなくて、
涙が浮かぶと、涙まで目に染みて。
バタン、と音がして、足音が近づいてきた。
それだけで不安が募って、
自分の中にある自分のものじゃない感情と混ざって、
怖くて怖くてたまらなかった。
「デイム!よかった…。」
多分、クラルテの声。
誰か人が隣にいるってだけで、すごく安心する。
「クラルテ、…手、握って、」
負の感情に飲み込まれそうで怖くて、
何かにすがりついていたくて、
乾いて空気がかすめるだけで痛い喉で言った。